第七十八話鬼三匹命欲しくない奴は掛かって来いや!!

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「……様子が変わったな…」 顎丸も様子が変化した事に気付いた。 「…何だろう…」 山賊達の様子に、虎御前もキョトンとする。 「…?」 細川も目を細めた。 山賊達は、混乱しながら連携が崩れ隙間が生まれていく。 「…新撰組副長土方歳三…」 山賊の間から、土方は出て来ると細川の前に歩み寄り… 山賊に振り返ると、睨みを効かせながら腕を組む。 「同じく新撰組副長土方歳三の打刀…和泉守兼定ってのは俺の事よ!」 堂々と、山賊の間から出て来ると鴬丸と大兼平の前で立ち止まり… 余裕の笑みを浮かべ山賊に振り返る。 「同じく新撰組副長土方歳三の脇差…堀川国広は僕の事です」 山賊の間から出て来ると、虎御前と顎丸に歩み寄り… にこやかな笑顔を浮かべながら、堀川は山賊に振り返った。 「鬼三匹が相手になってやる!」 「命欲しくない奴は…」 「掛かって来いや!」 土方、兼定、堀川は息ぴったりに山賊達に向かって声を上げた。 「ひぃっ!?」 「…こいつら…何なんだっ!?」 三人の気迫に、山賊達は尻餅を着く。 「幕末の刀は派手だな」 「指揮官を各個撃破…か。対した者だ」 笑って大兼平と鴬丸は兼定に言う。 「頭を潰せば烏合の衆に成り果てるからよ」 鼻を鳴らし、兼定は得意げに言う。 「虎御前さん、林の中に救急箱持って来ました。此処から切り抜け次第手当てします!」 慌て堀川は虎御前に駆け寄って言う。 「わかった」 苦笑して虎御前は頷いた。 「えっと…貴方は…」 顎丸を見て堀川は困惑する。 「源氏の重宝…顎丸だ。宜しく頼む」 苦笑して顎丸は名乗ると、山賊から目を離さない。 「つまり…幕末の鬼って訳か…派手な口上述べる者だが…逆に山賊からしては得体の知れない者が来た事で動揺は防げん」 楽しそうに細川は土方に言うと、打刀を再び構え直した。
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