第七十九話我が命じる!者共殲滅せよ!

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「清正ぁっ!無事かっ!?」 ドカカカッ 叫び声と共に、石田が馬を駆って日向を背に乗せ加藤達の前に突っ込んで来た。 「なっ!?三成っ!?馬鹿!何で来やがった!? 豊臣本陣に居たんじゃ無かったのかっ!?」 びっくりした加藤は石田に向かって叫ぶ。 「五月蝿い!馬鹿って言った奴が馬鹿だ!!馬鹿!! ちょっと…その…来たんだ…そう、気紛れになっ!!」 言い返した後、石田は慌てながら加藤に言い切った。 …主よ…うーむ…苦しい言い訳だな… あぁ…梅干し食べたい…梅干し無ければ食が進まん… 梅干し和尚が手招きするのが見える…かつお味なんか食べ頃かな… 寿司にも合うんだな…これが…白米なんか食べまくれる。 日向は涼しい笑顔で石田にツッコミを内心入れると、梅干し聖人が手招きする姿が見えてきて思わ涎が出るのを堪える。 ……あっ……前田慶次…っ!! 『そういや、殿…最近清正様が前田慶次に御執心らしいですよ? 愛想尽かされたら大変じゃ無いんですかい? 男も冷たくされりゃ熱も冷めてしまいますからね。 何事も控え目に…程々が大事って物ですしね』 島に言われた言葉が、石田の脳裏に蘇り… 嫉妬剥き出しで石田は慶次を睨み付ける。 「気のせいか?俺…恨まれてる?」 冷や汗を掻いて慶次は紅蓮に聞く。 「逆恨みは付き物って言うしね。気にしない事だよ…慶次」 同情して紅蓮は慶次に助言した。 「…しっかし…清正どうするよ?石田様は馬に乗って居るが短刀だぜ? …短刀でどうにでも出来る状況じゃねぇよ」 苦笑いして田貫は加藤に聞く。 「っ!三成…絶対馬から降りるな。日向、お前もだ。 取り敢えず…馬で鬱陶しい山賊を蹴散らせ」 直ぐ様判断し、加藤は二人に指示を出す。 「…お前なんぞに命令されるとは癪に触るが…仕方無い。 日向、良く捕まっていろ!」 少し不満そうに石田は頷くと、日向に命令する。 「了解だ」 笑って日向は石田の腰に強く抱き付く。
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