第七十九話我が命じる!者共殲滅せよ!

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馬から落馬し、倒れるが立ち上がると日向は鞘から短刀を引き抜く。 「全くだ…この光景…嫌でもあれに重なる…」 立ち上がると、石田も不敵に笑みを浮かべる。 『申し上げます!小早川様御裏切り!! 大谷様より…直ちに石田様は戦場より離脱し佐和山城へ逃げろとの事!!』 『っ!?…何だと!?』 関ヶ原で伝令より報告を受け、石田は驚愕した。 本陣から下へ視線を向ければ、葵の御旗を掲げる軍勢がそこに押し寄せているでは無いか…。 その光景が、自分を囲む山賊と良く似ている。 「三成っ!?」 加藤は叫んで駆け寄ろうとするが… 「くそがっ!」 田貫も山賊に邪魔され行けない。 加藤の前にも山賊が立ちはだかる。 「退け!邪魔だ!」 悲痛な表情で加藤は叫んで山賊に斬り掛かる。 ……俺は…また…お前を…!! 脳裏に過るのは、処刑された石田の変わり果てた姿。 ……その時だ。 「はーはっはっはっ!」 辺り一面に少女の高笑いが響き渡る。 「っ!?」 「あ?」 加藤と田貫は目を丸くし… 「…良いね…高笑い…」 「派手さながないとね!」 紅蓮と慶次は気付いて笑みを浮かべる。 「…?」 「…」 日向と石田もポカーンとする。 見ると、斜面の上から今剣に抱っこされドヤ顔する愛奈の姿があった。 左から義輝、三日月、右から義経。 首と両手にはカワウソの姿が… 「悪は正義の名の元に滅する!!我が来たからには滅ぶのみぞ! 悪は無価値…故に我が命じる!!悪を殲滅せよ!!」 ヤル気満々に愛奈が命じた。 「だ…そうだ…」 「了解した…」 義輝と三日月は、斜面から飛び降り山賊に斬り掛かる。 「愛奈様!ちょっとフワフワしますよっ!」 念のため、今剣は愛奈に言って飛び降りる。 「是非にも無し!!」 涙目になりながら、浮遊感に愛奈は耐えた。 「私も…」 見届けてから義経も飛び降りる。
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