第七十九話我が命じる!者共殲滅せよ!

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「伊達の刀剣は恐ろしいな…かなり距離離れてるってのに…危うく田貫が折られるかと思ったぜ」 冷や汗混じりに清正も動揺する。 ……何なんだっ!?緊迫した状況が一気に変わった…変な方向に… …この小娘と…こいつらは一体… ポカーンとしながら石田は愛奈達を見詰める。 「あっ!馬が…今なら間に合うかも!今剣!降ろして!」 石田と日向の後ろで倒れてる馬を見つけ、愛奈は今剣に頼む。 「えっ?あっはいっ!」 愛奈に頼まれ、今剣は慌て降ろした。 トテテテと走り、愛奈は二人に駆け寄ると… 「佐吉、日向…ちょっと待っててね」 安心させるように微笑み、二人に言うと愛奈は馬の傷口に手を翳す。 …何故俺の名を? びっくりして石田は固まった。 …この女の子…何処かで… 見覚えがある日向は困惑する。 パアアアッ 手を翳した途端、馬は淡い光に包まれて瞬く間に傷口が消えて無くなり馬の血色も良くなる。 ……ほう、これが愛奈の力… …治療も可能なのか… ……凄いですね… …流石愛奈様ですっ! 三日月、義輝、義経、今剣はびっくりして目を見開いた。 ……人成らざる力…か 清正も目を見開き驚く。 …あんな小さいガキに一体何処に力が… 田貫も冷や汗を掻いて驚愕する。 「傷が…お前は一体…」 びっくりして石田は愛奈に問い掛ける。 「目上にお前は無いであろう、佐吉。生前清洲城で忠告してやったのに…死に急ぎおって…」 呆れた顔をして愛奈は石田に答えた。 「ヒヒンッ」 元気になった馬は身体を起こす。 ……その言葉は…忠告ってまさか… 気付いた石田は愛奈の正体に気付く。 それは清洲会議の為、秀吉の従者として清洲城に来た時だ。 『お前か?秀吉が大層可愛がってる子飼いの子供とは…?』 廊下に立ち止まった美しい女性が石田に声を掛ける。
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