第七十九話我が命じる!者共殲滅せよ!

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「思い出したか?良く聞け。豊臣軍と私達は協力関係にある。 死人が多く居るらしくてな…豊臣軍まで囮部隊が誘導し、清めの塩一斉掃射で勝つ寸法だ」 愛奈は石田を見据え教えた。 「…浅はかな策ですね。愚策に等しい…。丘の上から左近が合図を送っても命中するとは到底思えません」 あからさまに不機嫌そうに石田は愛奈に答える。 「ならば、そなたが地上から指揮を取り合図を送れば良いではないか?」 笑って愛奈は石田に尋ねる。 「…貴女が仰有られるなら…その指揮を慎んで受けましょう」 挑発するように笑みを浮かべ、石田も頷くと愛奈を見詰める。 「時間が無い、早急に馬にて駆けよ。直ちに離脱し…長谷部達囮部隊と合流し、その旨を事細かく伝えよ」 笑って愛奈は石田に命じた。 「承知致しました。清正、俺は命令を受け離脱する。 …馬鹿だから大丈夫だと思うが、死ぬなよ?」 愛奈に頷くと、石田は加藤に言う。 「馬鹿は余計だ、馬鹿」 苦笑して加藤も言い返す。 「行くぞ、日向」 馬に股がると、日向に言う。 「…承知した。主よ」 嬉しそうな石田に、日向も笑みを浮かべると馬に跨がった。 ドカカカッ そして、土煙を上げ石田は戦場より離脱するのだった。 「よし!皆!!本番は始まったばかり!いっくよ!!」 笑って愛奈は皆に号令を掛ける。 「いつでも良い」 「頑張るぞ」 義輝と三日月は笑みを浮かべ頷く。 「天狗は早いですよ!」 「…討ち取るまで」 今剣と義経もヤル気満々に頷いた。 「行くか」 「叩き割る…」 清正と田貫は打刀を構える。 「祭りは楽しまないとな!」 「久しぶりの花道…華を咲かせようじゃないか!!」 慶次と紅蓮が槍を振り回した。 皆は山賊に向かって突っ込んで行くのだった。
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