第八十話うぃーくっ…酒だ酒…酒持って来い

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「いけすかん気が…えろうプンプン臭って敵いませんわ」 明石は目を細め、溜め息をついて走りながら頭を掻く。 「…神子田と申す者…軍師と言うより死霊使いの方が正しいかもしれん」 無表情で走りながら、斎藤は淡々と呟いた。 「…死霊使い…か。実在するのは初めて見る…」 納得して国重も走りながら頷いた。 「…現代で言うと、ゲーム的なラスボスだな」 走りながら顎に手を当て平助は断言する。 「ラスボス…か。倒せるのか?…向こうには確かに土方さん達と愛奈達が行ってるけど…」 兼重は考え込む。 「問題ないんじゃ無いか?愛奈が選んだのは強者揃い…頭が良すぎるのも難儀な物だぜ」 酒を呑みながら、日本号は目を細め言う。 「とにかく俺達は成すべき任を果たすまで…」 斎藤は前を見据え言い放つ。 「…斎藤はんって寡黙な人やな。国重はんもそうやけども…」 「…新撰組の中でも一番の無口なんだ。まぁ…その…俺達はそれが良いけど一くんと国重らしくてさ…」 「…二人から寡黙取れば別人になっちゃうからな。 無愛想だけど優しいしんだよ」 平助と兼重は幸せそうな笑顔で自慢する。 ……えぇな…好きな人と素直に愛し合えるなんて…羨ましいな… 自分は一応父親やし…時代違えど、息子を好いてる知れたら蛍達がどんな反応するか怖いで… …好きな気持ちは止まらへんしどないしはっても消える訳あらへんどす。 明石は二人の笑顔を見て苦笑する。 ……こう真っ正直に反応されてもな… …四人は恋仲で仲睦まじいなんて見りゃ一目瞭然…。 …俺も長谷部と恋仲になれたらな… 真っ赤になった斎藤と国重の顔を見て、日本号は空になった酒瓶を腰に結びつけながら思う。 キーンッキーンッ 暫く川沿いへ走ってると、剣激の音が聞こえて来た。 「気合い入れまひょか!」 「おう!」 「どんとこーいっ!」 「…」 「…」 「うっし…!」 明石の合図に、皆もそれぞれ戦闘体勢に入る。 「はにゃ?」 軽やかな動きで、髭切は死人の攻撃を避けるが… 「兄者っ!ボサッとするなっ!」 背後から髭切を狙った山賊を斬り捨て膝丸は叱る。 「…ごめん、ごめん。ちょっと疲れが…」 額の汗を拭いながら、髭切は苦笑して膝丸に謝る。 「…くそがっ!」 ザンッ 苛立ちながら、頼朝は山賊を斬り捨てた。 「せいやぁっ!」 気合い一閃… 二刀流で頼光は山賊を真っ二つに斬り捨てる。
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