第八十話うぃーくっ…酒だ酒…酒持って来い

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「はぁっ!」 向かい側から来た死人の首を跳ね、高次は砂に還した。 「もっとだ!もっと!俺を楽しませろ!」 ズバッズバズバッ 豪快に薙刀を振るって岩徹は死人を六人斬り捨てる。 「…この程度で…武蔵坊弁慶の相手になれると思うてかっ!!」 ズバズバッ 弁慶の豪腕による薙刀が次々と山賊を斬って行く。 「なんか…義経の右腕…逞しいね」 疲れた顔をして髭切は太刀を振るう。 「弁慶は岩徹一本で…京の三条大橋で仁王立ちで待ち構え…武士相手に刀狩りをやっていた破壊僧…あの程度じゃ朝飯前に決まってるだろう」 呆れた顔をして膝丸は髭切に答えた。 「そっかぁ…逸話じゃ負けないつもりだけど…俺も千年以上刀やってるし…そろそろ年かな?」 苦笑して髭切は頼朝を気にしながら膝丸に聞く。 「俺も対して変わらないが?顎丸に幻滅されないように…俺が言えるのは…兄者が昔見たいに鍛練を積むべき事だろうな」 苦笑して髭切に答えると、膝丸は山賊に斬り掛かる。 「鍛練を積む…か…悪くないね!」 頼朝を気にしつつ、髭切も笑って頷いた。 「助太刀参上!」 ズバッ 髭切の後ろの物陰から平助が飛び出し、死人を斬り捨てる。 「助っ人?」 びっくりして髭切は目を丸くした。 「あらよっと!」 ザンッ 兼重も膝丸の前にある物陰から飛び出し、山賊の首を跳ね飛ばす。 「援軍か!」 膝丸は僅かに安堵する。 ヒュンッ 「足元が…お留守だぜ?」 一瞬で頼朝の目の前に現れ山賊を、日本号は槍で一突きにした。 「槍?」 頼朝もびっくり目を丸くする。
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