第八十一話毒華と魔王の秘めた隠し事

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部屋中に臭う精液の香り。 パンッパンッパンッパンッ 部屋中に響く水音。 「んっ!んんうっ!んふっ!」 口には猿轡され…私は声を上げる事も出来ず… 両腕は後ろ手に縛られ… 両足も開かされた感じで縄で縛られ… ビクビク痙攣する私の中を遠慮無く突いてくる。 本当に不快で仕方無かった。 桑次郎見たいに激しくて気持ち良くも無い。 桑次郎に感じる愛情も無い。 スパンッ その時、障子が勢い良く開いた。 「…あ?何だ…先生…全然呼んでねぇぞ?」 ……桑次郎……? 伝五郎の言葉に、私は桑次郎が来たと理解する。 「気にするな。俺は所有物を取りに来ただけだ」 笑って桑次郎は言うと…打刀の安定を引き抜き… ザシュッ 伝五郎の首を跳ね飛ばした。 ザア… 私の前で、伝五郎は砂に還る。 黙々と、桑次郎は私の縄を斬ると猿轡も外し軽々と私を抱き上げた。 「桑次郎っ!?何故伝五郎を!?」 訳が分からない私は桑次郎に問い掛ける。 「風向きが変わった。裏口…正面に新撰組の土方や他の強者共が押し寄せて来ている」 部屋を出ながら桑次郎は答えた。 「っ!?」 驚愕し、私は目を見開く。 「数にも限界がある。山に放った死人の大群は何処かへ誘導されちまってんだよ」 舌打ちするように桑次郎は目を細める。 「…ならば指揮を取る者は誰だ?それを狙えば弱点を突く事になり形勢は覆る」 冷静にならねば、私は桑次郎に聞く。 「正面に居るガキかも知れねぇな。奴等はガキを守りながら闘っている」 少し考えた後、桑次郎は私に答えた。 …ガキ…?まさか愛奈か? 「ふふ…ははははっ!」 自然と私は笑いが止まらなくなる。 私の策で運命を翻弄された哀れな女。 また翻弄されに来るとは馬鹿な奴だと… 「ガキを狙って人質にしながら死人の大群と合流しよう」 私は笑みを浮かべ桑次郎に指示を出す。 「…分かった」 笑って桑次郎も頷いた。
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