第八十一話毒華と魔王の秘めた隠し事

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「ねぇ…皆さ…光の中ってどんな感じ?」 竹中は四人を見詰め問い掛ける。 『…どんな感じって聞かれても…』 困った光忠は困惑し… 『身体の内から力が沸き出す感じだ』 大倶利伽羅は仏頂面で答える。 『具体的に言うとさ…こう…ブアーッとな!』 両腕を大きく広げ、鶴丸は豪快に表現した。 『…沸々と神の力が強くなる…そんな感じですかな…』 苦笑して一期一振は竹中に答える。 「ふーん…何か羨ましいな…君達…。愛奈にとって家族じゃん。 …俺はまだ…愛奈に心を許されていないかなって思うと悲しくてさ」 膝を抱えると、竹中は苦笑して項垂れる。 『そんな事無いよ?愛奈を見れば分かる。竹中さんと一緒に居ると愛奈が自然体で過ごしてるのが分かるもん』 優しく微笑んで光忠は竹中に答えた。 「燭台切君…」 嬉しくて竹中は涙目になる。 『ただ反対に…浅井と愛奈には距離があるように見える』 難しい顔をして、大倶利伽羅はポツリと言う。 「…距離?でもあの二人は元々夫婦だよ? 義経さんや義輝さんと変わらないじゃん」 びっくりして竹中は目を丸くする。 『義経や義輝にも…愛奈はちゃんと甘えているように見えるぜ。 けど浅井だけは違う…何か違和感あるんだよ』 頭を掻きながら、鶴丸も竹中に答えた。 「…違和感…」 鶴丸の話を竹中は興味深そうに考える。 『何と申したら良いのでしょうか…愛奈が怖がっているようにも見えるのです』 心配そうに一期一振は竹中に言う。 「愛奈が…怖がっている」 ……確かに俺も感じていた違和感だ…待てよ…この感じ……あの時も…… 気付いて竹中は驚愕した。
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