第八十一話毒華と魔王の秘めた隠し事

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「考えられる可能性…全て仕組まれていたなら神子田が…浅井を操っていたかも知れぬ…」 核心に至ると、信長は目を大きく見開いた。 「……」 信長の様子を、壁に背を預け見ていた沖田は目を僅かに細めた。 「…退屈でマジ暇なんですけど」 安定に抱き着いて、加州は文句を言う。 「我が儘言うな。暇なら刀の素振りしてろ」 呆れた顔をして安定は加州に答えた。 「一人で素振りして…風をビュンビュン斬って居ても孤独で寂しいじゃん…」 頬を膨らませて加州は不満そうだ。 「暇なら手合わせしよう?」 後ろから沖田が笑って加州に声を掛ける。 「えっ?沖田君と手合わせ?良いの?」 キラキラ目を輝かせ加州は聞き返す。 「うん」 ニコニコ笑顔で沖田は頷いた。 「清光だけズルい…沖田君…僕も良いかな?」 ムッとすると、安定は沖田に聞く。 「勿論!」 笑顔で沖田は頷いた。 「やった!」 嬉しそうに安定は大喜びする。 ……魔王さん、何か考えてるみたいだし邪魔しちゃまずいしね… 内心、沖田は考えながら二人と一緒に信長から少し離れるのだった。
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