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伝令から聞いた通り、島が本陣の入り口辺りに行くと…
大きな身体の男が二人、足軽達に出迎えられ座っていた。
足軽達の間を潜り、島が前へと出る。
「ようこそ、我が本陣へお越し下さいました。貴方達が…愛奈姫様が申して居られた大太刀神様で間違いないですね?」
後ろから島は二人に声を掛ける。
「その口調…あんたが愛奈と話していた豊臣軍の軍師…島左近かい?」
気付いて次郎は振り返り島に聞く。
「話が分かる御仁で何より…そうです。私が島左近ですよ。…まぁ、正確には石田家の軍師が正しいんですがね」
苦笑して島は次郎に言う。
「成程…石田家の軍師…か。まぁ、私も長いこと神様やってるし…名前だけなら聞いた事あるよ。
…勿論、参拝者の方々からね」
クスッと笑って石切丸は頷いた。
「…大太刀が神様なのは知っていましたが、一体どちらの神社の神様で?ついでに名前も教えていただけたら幸いなんですが…」
気になって島は二人に問い掛ける。
「あたしは次郎太刀。熱田神宮の御神刀だよ」
笑って次郎は胸を張って名を名乗った。
「私は石切丸。石切劔箭神社の御神刀だ。降り掛かる厄落としや、腫れ物や穢れを落とすのが得意だよ」
穏やかに微笑んで石切丸も名乗る。
「次郎様に石切丸様ですね」
二人から聞いて島は頷く。
「で?今はどんな状況なんだい?」
次郎は頭を掻いて島に尋ねる。
「私の刀剣が、弓兵と作戦会議をしている所です。ですが…まだ申し訳ないんですが…塩は届いていません」
苦笑して島は次郎に答えた。
「塩が届かないと清められないね」
やれやれと石切丸は肩を竦める。
「もうすぐ届くと思いますよ」
にっこり笑って島は答えた。
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