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柿岡と言う集落の村は、農村として規模は小さいが…朝は早くに起きて夜は遅くまで働く。
そうして、何とか自分達で食べられる作物を育てるのだ。
この家も例外ではなく、小さな兄弟は畑仕事で忙しい両親より先に眠っていた。
茅葺き屋根は簡素な作りである為隙間風が吹き抜け、土壁で作られた家も雨になると雨漏りが酷い。
兄と弟は、みすぼらしい毛布一枚にくるまって眠って居た。
ズシンッズシンッ
不意に地響きが聞こえて来た。
「兄ちゃん…何だろ?」
目を醒ました弟は兄に聞く。
「分からない地震にしては…ちと変だ」
訝しげに兄は立ち上がった。
「外に出てみよう」
「うんっ!」
幼い兄弟は、恐る恐る外へ出てみた。
すると…村の少し奥にある山から…
ズシンッズシンッズシンッ
地響きを立てながら…何かが姿を現すではないか…
「「ひいっ!!」」
びっくりした兄弟は、抱き合いながら尻餅を着く。
姿を現したのは、赤い鬼と青い鬼だった。
両手には…何故か沢山の塩袋を持って居る。
怯える二人を尻目に…二匹の鬼は山の奥へ消えて行った。
同じ頃…
「まぁ…死人って聞いて予想着いて居ましたが…本当に醜いですね」
大小様々の死人を前に、漂う異臭に不愉快さを感じながら宗三は眉を潜める。
「主命とあらば…俺達は黙って従うだけだ」
それに対し、長谷部は気にする事無く言ってのける。
「私は嫌いです。貴方の…そんな主第一主義な態度…愛奈の場合は従うのでは無く…暖かな愛情が必要なんですよ。
…その程度も分からないとは…長谷部、貴方の頭の中は筋肉しか詰まって無いのですか?」
嘲笑う様に宗三は長谷部を馬鹿にする。
「貴様…黙っていれば抜け抜けと…!そう言うお前こそ…篭の中の鳥と言って置きながら…闘うの好きじゃないか…」
負けじと、長谷部は宗三に言い返す。
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