第八十四話やっぱり来てくれたね

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だが、川辺に着くと急な流れで渡れず… 神子田と桑次郎は…四方を皆に囲まれてしまう。 「っ…ならば愛奈だけでも道連れに!」 血迷った神子田は、愛奈の首筋を打刀で斬り付け様とするが… ピキピキピキッ 神子田の打刀が、白い氷によって阻まれてしまう。 ゴオォッ 「あちっ!」 突然、桑次郎は焔に包まれ愛奈を落としてしまう。 愛奈は熱くなく、焔によって地面へ降ろされた。 バチバチバチッ 雷が二人の周囲を覆い… ゴオォッバチバチバチッ 雷と焔の龍が、更に二人の後ろから鎌首をもたげる。 「来てくれたんだね」 気配に気付いて愛奈はにっこり笑う。 「遅くなってごめんね?」 黒髪は肩辺りまで伸び、黒い甲冑を着た光忠が愛奈に駆け寄る。 「愛奈っ!」 ギュッ 長く伸びた白い髪をポニテにし、青緑色の甲冑を着た鶴丸は涙目で愛奈を抱き締めた。 「良くも…俺達の可愛い娘を…」 両手に籠手をはめ、全身にも鎧を着た大倶利伽羅は眉間に皺を寄せる。 「…万死に値しますな?」 青い髪を風に靡かせ、金色の甲冑を着た一期一振も怒りを露にする。 「あはは、愛奈の家族は最強だね」 笑って竹中は頷く。 「やあ…桑次郎…」 竹中の後ろから沖田が桑次郎に声を掛ける。 「っ!!」 沖田の凄まじい殺気に桑次郎は蒼白になった。 パアアアッ カワウソ三兄弟が光り輝き… 「逃げはねぇ、覚悟しやがれ」 人の姿に戻った盛親は、一瞬で真宮を具現化し鞘から引き抜き二人に突き付ける。 「…諦めなさい」 親忠も人の姿に戻ると、美月を具現化させ鞘から引き抜いて二人に突き付けた。 「…お覚悟を」 人の姿に戻った信親も、暁を具現化させ鞘から引き抜く。 「くそ…」 「っ…」 桑次郎と神子田は、膝を付いた。 山崎と厚は、二人に縄を掛けていく。
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