第八十五話失っていた記憶は呪いの様に…

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「…忘れているなら…思い出させてやる!」 神子田は目を見開くと浅井を見詰め… 「っ!!」 浅井の脳裏に…様々な目も瞑りたくなる記憶が甦る。 …某は市を… ガクンッと膝を付き、浅井は愕然とする。 「神子田…お前っ」 竹中は浅井の様子を見て殴ろうとするが… 「止せ。…こいつは何も吐こうとはせん。…なれば時間の無駄…ぞ。 …神子田の処遇、愛奈を連れる我々では手に余る。 故に…豊臣本陣に居る島に任せる」 竹中を止めると、信長は命令して踵を翻した。 「…勝手に命令するなし…!ったく…」 溜め息を着くと、竹中は島に通信を入れる。 『はい、私ですが…竹中さん、どうかなされたんで?』 びっくりして島は問い掛ける。 「神子田が情報吐かないから…そちらに頼みたくてね。島さん拷問とか得意だよね?」 笑って竹中は島に問い掛ける。 『拷問って…貴方もお人が悪い。私の場合は痛い拷問より気持ちいい拷問が専門なんですがね? 分かりました…お引き受けしましょうか』 溜め息を付いて島は了承した。 「何でも良いから任せるよ」 笑って竹中は島に頼む。 それから暫くして、豊臣軍の兵が神子田を連行して行き… 浅井は愛奈達から離れ、膝を抱えると顔を両手で隠し項垂れていた。 「長政様、もしや…記憶を?」 異変に気付いて、無月は浅井に尋ねる。 「…あぁ。全て思い出した。某が神子田に暗示を掛けられ…市を…痛め付け…信長は激昂し市を救うために浅井を滅ぼした事もな」 苦笑して浅井は無月に答えると…黙り込んでしまう。
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