第八十七話頑張らなくて良いんだよ。馬鹿愛奈

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…鉄拳ジェノサイト…与えちまうのか…… …愛奈は市様から何も変わらないね… 薬研は疲れて頭を抱え、次郎は白眼を剥く。 …主!俺も賛成です! キラキラ不動は目を輝かせた。 「分かったよ…そこまで言うなら…この次郎さんにまっかせなさーいっ!」 ドンと胸を張り、次郎は愛奈にウインクした。 「ありがとう!」 嬉しくて愛奈は礼を言う。 「…義輝よ。俺達はどうするべきか…」 三日月は眉間に皺を寄せ義輝に聞く。 「愛奈に仇なす者を斬り捨てる…」 真顔で義輝は言い放つ。 「…義経様…」 涙目で今剣は義経を見詰め… 「毒殺…呪殺ですね」 笑顔で義経は今剣に言う。 「ん?」 竹中が歩いていると…次郎が愛奈を抱っこしながら歩いていて擦れ違った。 後ろを不動と薬研が続いて歩いている。 「…ん?」 「お?」 「おや?」 「あれ?」 三日月、義輝、義経、今剣も愛奈と次郎に気付いた。 「何処に行くんだ?」 「着いていくしかあるまい…」 「心配です…」 「お助けしなくては…」 「せっかく…女装したのに…」 それぞれ愛奈を追い掛けるのだった。 「愛奈に二度と会うな…か」 竹中に殴られ、腫れた頬を触りながら浅井は苦笑する。 主史上主義な一文字と信義が静観していると言うことは… 全て理解しているからだろう。 「長政様…」 無月は悲し気な表情で浅井の隣に座っていた。 「たのもーっ!!」 いきなり愛奈の声が響き渡り… 「「「「?」」」」 一文字、信義、無月、浅井はびっくりして目を丸くする。 「ほら…行きな…」 次郎は愛奈を下に降ろした。 「…愛奈…」 近付いてくる愛奈に、浅井は困惑を隠せない。 「必殺…」 段々愛奈は走り出し… 硬く小さな拳を握りしめ… 「…へ?」 凄まじい形相で近付いてくる愛奈に、浅井は目が点になる。 「……」 様子を見ていた竹中は冷や汗を掻く。 「…あは…」 義経も気付いて油汗を掻いた。 「目には目を…歯には歯を…」 理解して義輝は合掌する。 「ずえいりゃあっ!」 雄叫びと共に、愛奈は拳で浅井の弱点を殴った。 「◯△×□…」 口から泡を吹き、浅井は弱点を押さえ地面に倒れる。 …決まったな… …鉄拳ジェノサイト… …恐るべしっ! 薬研、次郎、不動は自分達の弱点を押さえつつ乾いた笑みを浮かべる。
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