第八十九話私、頑張るから…

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「ありがとうございます」 褒めてくれた愛奈に宗三は礼を言う。 チラリと宗三は長谷部に視線を向けると… …ふふ…ざまあ見なさい…長谷部。 貴方は美しい顔をしていても、骨格や体系…顔や髪など全て男にしか見えない。 …それに比べて私は…大嫌いな細身の体系で女顔でも…愛奈の為なら役立てる。 …男らしい自分の体系を呪いなさい…!! 不敵に笑みを浮かべ、宗三は長谷部を口に出さず馬鹿にする。 …くそ…宗三の奴…あの顔…女装出来ない俺を馬鹿にしているな… 気付いた長谷部は、苛立ちながら宗三を睨み付けるのだった。 それから程無くして… 「ただいま…今戻ったよ」 「…戻った…」 魂が抜けた状態の光忠と大倶利伽羅が帰って来ると… 「戻ったぜ…」 「ただいま戻りました」 同じく魂が抜けた状態の鶴丸と一期一振も戻って来た。 「…愛奈、ほら…」 次郎は愛奈を促す。 「…うん…」 次郎に言われて愛奈は頷くと、薬研の膝から降りて… 「ん!」 不動の前に来ると、両手を上に上げる。 「主…」 愛奈の言葉の意味が分かり、不動は立ち上がると愛奈を抱っこして光忠達の元へ向かう。 光忠は、大倶利伽羅が木に刺した魚を火加減をしながら焼いていた。 「光忠お兄さん…大倶利伽羅お兄さん…」 「っ!?」 愛奈の声が聞こえ、光忠はびっくりして振り返る。 「…愛奈…?」 大倶利伽羅もびっくりして振り返る。 そこには、不動に抱っこされた愛奈の姿があった。
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