第九十話毒キノコと愉しそうな島さん

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「はい、大将…骨を取ったから食べて良いぜ?」 骨を取り除き、身をほぐした焼き魚を愛奈に渡す。 「わーいっ!ありがと!」 お礼を言うと、愛奈は早速焼き魚の串を持ちかぶり付く。 「美味しいっ!」 満面の笑みで愛奈は喜んだ。 「主!果物もありますよ!」 笑って不動は愛奈に果物が乗った葉っぱの皿を差し出す。 「ありがと!」 嬉しそうに愛奈は礼を言った。 「で?日本号…長谷部との仲はどうなったんだ?」 「本丸では仲が良さそうでしたが…御関係は進んだので?」 日本号を間に挟んで大倶利伽羅と一期一振は聞く。 「…いや…その…コクったのはコクった…けど、返事はねえし…進展していない」 冷や汗を掻いて日本号は二人に答えた。 「天下三名槍の癖に奥手過ぎるな」 「男は好いた相手に直球で挑まねばなりませんぞ?」 大倶利伽羅と一期一振は日本号にズバリと言う。 「直球でガツンと言えたら苦労しねぇよ」 溜め息をついて日本号は項垂れるのだった。 「何だ?そのキノコは…」 目の前に出されたキノコを見て長谷部は鶴丸に聞く。 「さっき収穫した毒キノコだぜ」 毒キノコを見ながら鶴丸は長谷部に笑って答える。 「…いやいや、鶴さん…これ絶対食べちゃ駄目なキノコだよね…」 困った光忠は鶴丸にツッコミを入れる。 「人間にはアウトかも知れねぇが、俺達は刀剣だぜ? どんな効力があるか…試してみるのも驚きの発見に繋がるもんだ」 笑って鶴丸は、毒キノコをモグモグ食べ始める。 「んもーっ!言ってる側から食べちゃって…」 光忠は溜め息を着くと毒キノコを手に持ち… 「明日、腹でも壊したら…鶴丸、貴様のせいだからなっ!」 鶴丸を怒りながら、長谷部も毒キノコを掴むと… 二人も毒キノコを食べ始めるのだった。
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