第九十一話それぞれの旅立ちの日。

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「今更だけど…俺達…姿変わってねぇか?…何か胸が重い気がするんだが…」 帰り道、鶴丸は二人に問い掛ける。 「…そうだね。何か下半身にある筈の感覚が無い気が…」 冷や汗を流して光忠は頷く。 「と言うか…俺達女になって無いか?背も縮んでいる…」 青ざめ顔をして長谷部は二人に聞いた。 「おぉー!!」 鶴丸は喜んで目を輝かせ… 「「!!」」 精神的ショックを受け、光忠と長谷部は座り込んで頭を抱える。 「きっと昨日食べた毒キノコの効力だな!女になる効力とは最高に驚いた!」 愉しそうに鶴丸は納得した。 「どうしてくれるっ!?鶴丸、貴様のせいだ!」 青ざめた長谷部は鶴丸の肩を掴み、グラングラン揺さぶる。 「うおっ!ちょっ!」 揺れまくり、鶴丸は目がグルグルになる。 「落ち着いて…長谷部君っ!取り敢えず薬研君に診て貰おう!」 慌て光忠は長谷部を制止するのだった。 「毒キノコを食べて女になるなんざ…俺も初めて見る症例だが…俺達は刀剣で一応神だ。 人間が喰えば猛毒のキノコを…神の刀剣が食ってそうなったかも知れねぇな。 まぁ、大体効力も半日か一日だと思うから心配は要らねぇと思うぜ?」 苦笑して薬研は三人に答えた。 「良かった…」 「…助かる…」 光忠と長谷部は安堵し… 「つまんねぇの…もっと長く続けば面白いのに…な?愛奈…」 「うん、鶴丸お姉さん」 鶴丸は頬を膨らませ愛奈に言うと、愛奈も鶴丸の膝の上で笑った。 …鶴丸殿が… 光忠が… 長谷部が… 【女にっ!!】 一期一振、大倶利伽羅、日本号は衝撃を受けて鼻血を出しそうになる。 同じ頃… 「あっ、島さん?どう…?神子田の奴まだ白状しない?」 竹中は通信機で島と喋っていた。
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