第九十一話それぞれの旅立ちの日。

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「信長兄上は一人でバラバラに笠間行くの?」 「…あぁ。我は別行動で調べたい事もあるからな…。 笠間に着いたら後で合流しようぞ」 愛奈に信長は言い聞かせるように言うと… 「宗三、長谷部、薬研、不動…我の代わりに愛奈を頼む」 信長は四人に命じた。 「…分かりましたよ」 苦笑して宗三は頷いた。 「主命とあれば…」 長谷部は頭を下げ頷く。 「任せてくれや」 やる気満々に薬研は返事をし… 「お任せあれ!」 不動は力強く返事をした。 「新撰組は新鮮な野菜なの」 光忠の後ろに隠れ愛奈は言う。 「なんだ…そりゃ?新撰組は野菜じゃねぇよ。俺達も笠間に行くぜ」 苦笑して土方は愛奈に答えるのだった。 …そして… それぞれ出発し… 「馬さん!パカパカ!」 「そうだね」 愛奈は光忠と一緒に馬に乗って大はしゃぎ。 「何で俺が…貴様なんかと」 「気にするな。何事も驚きは肝心だぜ!」 鶴丸と同じ馬に乗り、前に乗る長谷部は文句を言うが…鶴丸は気にしていない。 一方… 「左近、後は任せた」 「お任せください」 石田は島に言うと背を向け… 島は頭を下げ返事をする。 石田の後に日向、加藤、田貫、慶次、紅蓮も続き… 豊臣軍の軍勢も歪んだ空間から消えて行った。 「さて…まだまだやることありますからね」 見送った後、島は陣幕へ戻って行くのだった。
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