第九十四話島からの報告

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「大倶利伽羅とか一期一振もキノコ食べれば美人になんねぇか?」 盛親は歩きながら二人に聞く。 「美人?かは分からんが…」 「女には成れますな」 大倶利伽羅と一期一振は苦笑した。 「…俺や安定もイケそう…」 「見た目若いし…愛奈に近付けるし」 顔を見合わせて加州と安定は笑顔になる。 「…国重と俺も大丈夫じゃね?」 「うむ」 兼重に言われ、国重は頷いた。 「堀川…俺達も…」 フニ… 兼定が堀川に触れると…何か柔らかい物があたり… 「…へ?胸…?」 びっくりして兼定は目が点になる。 「ごめん!兼さん!僕も…愛奈ちゃんを抱っこしたくて…さっき見つけた同じキノコ食べたんだ!」 慌て兼定に謝った堀川は女になっていた。 「堀川さんが年増のおばさんにっ!?」 びっくりして加州は叫ぶ。 「誰が年増だ…誰が…」 凄まじい形相で堀川は加州にツッコミを入れる。 「…」 顔を真っ赤にさせ、兼定は動けなくなる。 「ん?うちの刀剣達は何を騒いで居やがるんだ?」 「さあ?」 後ろを歩いていた土方は眉間に皺を寄せ沖田は首を傾けた。 同じ頃… タタッ 小走りで宗三は鶴丸と長谷部の乗る馬の横へ並んだ。 そして勝ち誇った笑みを浮かべ、宗三は長谷部を見る。 「!?」 長谷部は宗三を見て白目を剥いた。 宗三も女になっていたのだ…しかも長谷部より細くそしてナイスバディなプロポーションの… 「貴方は所詮…篭の中の鳥である私には勝てません。 女になっても全身筋肉な貴女にはね…」 嫌味ったらしく宗三は言った。 「なんだとっ!?男の姿でも女と変わらないモヤシなんぞに言われたくはない!」 キレて長谷部は宗三に向かって怒鳴る。
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