第九十五話ニ名槍はポッキリなの!!

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「竹中様は見た目若いし…女装されているんで子供に見えるんじゃ無いかと…」 苦笑して堀川は竹中に答えた。 「…つまり童顔…でしょ?うっわぁ…マジ屈辱…」 ショックで竹中は座り込んだ。 「宗三は男でも女でも綺麗だな」 「ありがとうございます」 薬研に褒められ、宗三は微笑む。 「あっ、蟻の行列発見…」 見つけた愛奈はしゃがみ込んだ。 「長い行列ですね」 不動も隣に座る。 「きっと雨が降りそうだから…慌て新しい巣を目指して歩いているのかも知れないね」 後ろに座って光忠は微笑んで二人に言う。 「蟻さん大変なの…」 愛奈は目をパチクリさせる。 「がんばり屋ですね」 不動も愛奈の様子を見て苦笑する。 「よぉ…そこの美人さん達…」 「…僕達の事かな?」 不意に声を掛けられ、光忠は立ち上がった。 「見慣れない格好をして居るが…中々の上玉…どうだ?ガキなんか放って置いてさ…」 ドンッ 無精髭を生やした男は、光忠を壁ドンし… 「俺達と楽しい事しないか?勿論…」 刀を抜こうとする堀川、長谷部、宗三、鶴丸に視線を移し… 「あんたらも大歓迎だ。そんだけ美しければ女郎として稼げるだろう」 笑って男は言った。 …斬るか?一瞬で消せるぜ… …だが、往来で仲間が居たら不利になる… 鞘に手を掛け薬研と不動は顔を見合わせる。 …光忠お姉さんのピンチ… 愛奈は目を見開くと…拳を握り締め… 「鉄拳ジェノサイトっ!!」 ドゴッ 気合い一閃、愛奈は男の弱点を拳で殴った。 「ぐおーっ!」 ドサッ 弱点を押さえ、男は地獄の苦しみを感じながら転げ回る。 「…え…」 びっくりして光忠は固まり… …出たな…遂に…次郎さんや細川さん達が別行動で先に笠間行ってて焦ったが… …その焦りを打ち砕く無情なる主の一撃…流石は主…強い…強すぎる!! 薬研と不動はハードボイルドの顔をして衝撃を受けた。
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