第九十五話ニ名槍はポッキリなの!!

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「それで斬ろうってか?あはは!こりゃ傑作だ…」 光忠達の刀を作り物か、偽者と勝手に判断し男は笑い出す。 …んにゃろうっ!! …馬鹿にしたね!! 鶴丸と光忠は、力を使おうとするが… ガシッ 「その辺にしとけよ…」 後ろから青年が来ると、男の肩を掴んだ。 ……あ……この方は…… 宗三は青年の顔を見て目を見開き驚く。 「女子供相手に…そりゃねぇんじゃねぇの?」 御手杵は男を冷たく睨み付け…肩を掴む手に力を込める。 …いてっ!なんつー力だ…こいつ… 男は御手杵の力に眉を潜め内心焦る。 「…よぉ、兄さん…うちの女が世話になったみてぇだな?」 ポンッ 御手杵が立つ右側とは反対に、男の左側に日本号は立つと笑みを浮かべた。 …日本号… 長谷部はびっくりして目を丸くする。 「何やら…留守の間に…我が妻が世話になった様で…」 鞘から太刀を引き抜き、笑みを浮かべながら一期一振が戻って来た。 …一期… 嬉しそうに鶴丸は笑みを浮かべる。 「うちの国広に…雁首揃えて何か様かい?」 そこへ、兼定も戻って来ると腕を組んで問い掛ける。 …兼さん!! 嬉しくて国広は思わず笑顔になった。 「…うちのが世話になったな。礼ならば纏めて返す」 無表情で日本号の隣に来ると眉間に皺を寄せ、大倶利伽羅は鞘に手を掛けた。 …伽羅ちゃんっ!… 光忠も大倶利伽羅に気付いて表情を綻ばせた。
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