第九十五話ニ名槍はポッキリなの!!

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「ごちゃごちゃ五月蝿いっ!野郎共!やっちまえ!」 御手杵から逃げると男は叫ぶ。 「…日本号!背中任せた!」 「はいよっ!」 御手杵と日本号は背中合わせになり、ごろつきと対峙する。 「大倶利伽羅…」 「…分かっている」 一期一振と大倶利伽羅も背中合わせになってごろつきとやり合う。 「うらぁっ!」 バキッ 向かって来たごろつきを、兼定は殴って吹っ飛ばした。 「とりゃっ!」 ドカッ 御手杵は長身を生かし、殴り掛かって来た男を蹴り飛ばす。 「はっ!骨が無いねぇ!」 ドンッ 向かって来た男を、日本号は華麗に一本背負いして投げ飛ばした。 「せいっ!」 一期一振も、ごろつきの拳を避けると… バキッ 後ろ回し蹴りを喰らわして吹っ飛ばした。 「…俺はただ闘う…それだけだ」 無表情で大倶利伽羅はごろつきに言うと… ガンッ ごろつきの額に頭突きを喰らわして倒す。 「…ひい…」 怖じ気づいて男は尻餅を付く。 「俺さ…弱いもの苛めする奴…嫌いなんだよ」 男を睨み付けて御手杵は言う。 「…次は…てめぇかい?」 ポキッポンッと両手の指を鳴らしながら日本号は見下ろす。 「…喧嘩は主譲りなんでね?薔薇ガキの名は捨てちゃいねえさ…」 笑みを浮かべ、兼定は上着を脱ぎ捨てると男に近付いて行く。 「…天下人の刀を舐めるな…このガキが…」 凄まじい形相で一期一振は男に言い放つ。 「お前に罪はない…ただ光忠に手を出したのが間違いだっただけだ」 無表情で大倶利伽羅は言い放った。 「ひいっ!」 男の哀れな悲鳴が木霊するのだった。
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