第九十五話ニ名槍はポッキリなの!!

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結局、ごろつき達は全員のされ転がった。 「兼さん…助けてくれてありがとう!とってもかっこ良かったよ!」 ギュッ 「そっそうか?はは…俺はかっこ良くて…強い…流行りの刀だからな」 堀川の笑顔にドキドキし、理性を保ちながら兼定は顔を真っ赤にして頷いた。 「一期の喧嘩は相変わらず強いな!」 笑いながら鶴丸は一期一振を褒めて背中をバシバシ叩く。 「ふ…伊達に兄弟を纏めてる長男ではありませんからな…殴り合いなんか日常茶飯事でしたし…」 太刀の弟達を思い出し、一期一振は自嘲気味に笑みを浮かべる。 「長谷部大丈夫かっ!?」 慌て日本号は長谷部に問い掛ける。 「…ふっふん!余計な事を…」 長谷部は素直に礼が言えず顔を真っ赤にする。 「光忠…無事か?」 心配して光忠に大倶利伽羅は聞く。 「…うん…僕は大丈夫だけど…竹中さんが殴られちゃったんだ」 光忠は大倶利伽羅に頷くと、竹中と愛奈を見詰める。 「竹中が?」 びっくりして大倶利伽羅は竹中に視線を移した。 「大丈夫?半兵衛…痛い?」 「痛いけど大丈夫…」 見ると、愛奈が心配して竹中の頬を優しく撫でてる。 ……声は掛けるべきじゃないか… 察した大倶利伽羅は二人から視線を反らした。 「あの…宗三…だよな?」 背を向けた宗三に御手杵は尋ねる。 「…何故この時代に?」 背を向けたまま、宗三は聞き返す。 「そっそれは…」 答えられない御手杵は口ごもる。 「あっ、いた!いた!おーいっ!杵!!」 「やべっ!そういや忘れてたっ!」 名を呼ばれ、御手杵は振り返る。 …ん?この声は… 聞き覚えのある声に宗三も振り返った。 「酷いぜ?置いて行っちゃうなんて…」 秀康は苦笑して御手杵に言う。 ……秀康…… 気付いた宗三は目を見開いた。 …結城秀康…おかしいと思ったんだよ…御手杵が居たからさ… 愛奈に支えられ、立ち上がると… …げっ!?竹中半兵衛っ!?なんでこの時代にっ!? 竹中に気付き秀康は冷や汗を掻く。
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