第九十五話ニ名槍はポッキリなの!!

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「半兵衛っ!?どうしたのっ!?なんか凄い人だかりが居てさ…」 そこへ、騒ぎを聞き付けた虎御前が帰って来る。 …取り敢えず逃げなきゃ… グイッ 「お?」 焦る秀康は、御手杵を引っ張り逃げようとするが… 「虎御前、一期一振…その二人を捕獲!」 キラリーンと竹中の目が光り、二人にビシッと指示を出した。 「えっ?うん…!」 ガシッ 「へ?」 竹中に言われ、虎御前は御手杵を羽交い締めにする。 訳が分からない御手杵は目が点に… 「…秀康様、申し訳ありません…」 ガシッ 「ちょ!?一期一振っ!?」 一期一振に羽交い締めにされ、秀康は冷や汗を流す。 「さあ、話せ。さっさと話せ。何で…戦国に居る筈なのに幕末に居るのさ?」 秀康の前に竹中は仁王立ちになって問い掛ける。 「……親父が……六合って言う神に…呑み込まれたって…聞いてさ。 信康兄上に命令受けて来たんだよ。 けど…勘違いするな。あくまでも俺達は状況を経過観察するだけ…助ける気なんて無い…」 秀康は目を細め竹中に話す。 ……秀康……徳川に思い入れなんて無いと思っていましたが…この子だけは… 宗三は秀康の気持ちを察して悲し気な表情になる。 「あのさ…秀康の事は色々複雑だから難しいけど…何で一部の刀剣が女になってんだ? ……あと…このチビ誰だ?」 訳が分からない御手杵は首を傾け尋ねる。 「…この子は燭台切愛奈。僕達の娘で…」 苦笑して光忠は愛奈を抱っこすると… 「本丸の主であり、明実や市様…他にも幾つもの前世を持って居るんだぜ?」 笑って鶴丸は腰に手を当て教えて。 「明実や市様の…」 話を聞いた御手杵は複雑な表情になる。 「明実って…時代を歪ませた元になったあの…?随分チビだな…」 感心して秀康はジロジロ愛奈を見る。 「俺の女を…ジロジロ見ないでくれる?不愉快なんだけど」 あからさまに嫌そうな顔をして竹中は秀康を睨む。 「俺の女?ロリコンか?竹中さん…無理無理…オッサンは年頃になった愛奈に忘れ去られるのが落だ。 俺も…再会した娘に…見事毛嫌いされた…竹中さん、現実を見ろ…現実をな?」 呆れた顔をして秀康は竹中を諭すように言う。
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