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「あれ?古備前は?」
気付いた平助は首を傾ける。
「姿見ないね」
沖田も周りを見回す。
「…道に迷ってんのとちゃいます?」
山崎は呆れた顔をする。
「日本号はんは…ほんに…お人が悪くて敵いませんわ。…自分置いて先に戻るなんて…」
不満タラタラ、明石は日本号に言う。
日本号は微笑んだまま気絶して動かない。
「探しに行く?」
「でも…僕達も迷わない?」
「かーっ、じいちゃんだから仕方無いけどさ…」
兼重が聞くと、安定は首を傾け…加州は腕を組む。
「副長、和泉守さん…俺達にお任せください」
「直ちに探しに行きます」
斎藤と国重は二人に許可を貰おうとし…
「今からか?でも…」
「…」
兼定はびっくりし、土方は考え込む。
「あっ、いたいた…」
盛親が皆を見つけ駆け寄る。
親忠と信親も後から皆の元へ歩いてきた。
「宿屋さ…ここ猟師村だから無いみたいで…」
土方に伝えようとして、言葉を詰まらせ盛親は信親に視線を移し…
「大人数で泊まれる場所が…廃業した宿屋しか無い見たいです」
信親も苦笑すると親忠に視線を向け…
「ただ曰く付き?みたいで…宿屋の主人とその妾の男が…盗賊に襲われて死んでいる見たいで…出るらしいんです」
青ざめた顔をして親忠も答えた。
「は?」
訳が分からない土方は目を真ん丸にする。
「済まん、遅れた」
そこへ鴬丸と大兼平が戻って来た。
「…なんでてめぇも…女になって居やがる?」
眉間に痙攣を起こし、片手で頭を抱えながら土方は問い掛ける。
「面白そうだと思ったからだ」
あっさり鴬丸は答えた。
大兼平はずっと放心状態になってたのは言うまでも無い。
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