第九十六話複雑な気持ち

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「ん?」 日本号が目を醒ますと、長谷部の心配そうな顔が目に入る。 「っ!!」 膝枕されている事に気付いて、日本号は慌て離れる。 「大丈夫か?愛奈様の攻撃喰らって倒れたんだぞ?」 日本号の様子を見て、溜め息を着いて長谷部は上着を脱いだ。 …そういや、長谷部の服ボロボロだな…手入れ出来ないからか… 「ありがとうな…俺重かっただろ?」 長谷部の格好を見ながら、理性を保ちつつ日本号は謝る。 「っ…別に重くはない…」 顔を真っ赤にして長谷部は日本号に答えた。 「…」 次の瞬間、日本号は理性が吹っ飛び… 「なっ!?ちょっ!?」 嫌がる長谷部を押し倒すのだった。 同じ頃…隣の部屋では… 『あっ!はぁ…』 『長谷部っ!好きだっ!』 「聞いちゃ行けない声がする」 秀康は宗三の隣で変な顔をした。 「隣は長谷部と日本号ですね。秀康、聞き逃しなさい。 高貴な貴方には耳障りですよ」 溜め息を着いて宗三は秀康に言う。 「なんか宗三って母上みたいだな。歪んだ時代で母上とは再会出来なかったけど…母上なら言いそうだ」 笑って秀康は腕を組む。 「私は…貴方をずっと心配していました。家康に心が無いなら…せめて…その刀剣である私に甘えなさい。 親代わりとして、貴方の相談に乗りましょう」 優しく微笑んで宗三は秀康に言う。 「ありがとう…宗三」 少し涙目になり、秀康は宗三に礼を言うと立ち上がる。 「御手杵大丈夫そうだし、俺は自分の部屋に戻るな」 笑って秀康は部屋から出て行った。 「御手杵、いつまで狸寝入り決めているのです? 貴方…日本号より重症じゃないでしょう」 呆れた顔をして宗三は膝枕で寝てる御手杵に言う。
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