第九十六話複雑な気持ち

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「悪い…秀康と話していたし…邪魔しちゃ不味いって思ってさ…」 慌て宗三から離れ、御手杵は手を合わせて謝る。 『あっ!深い!激しいっ!』 『もっと深く感じてくれよ!』 「「…」」 隣から聞こえる声に、宗三と御手杵は顔を真っ赤にした。 「…その…秀康の事…ありがとうな?」 顔を真っ赤にしながら御手杵は礼を言う。 「礼を言われる筋合いはありません。あの子は私の子も同然。 ずっと家康や秀吉の元から離れた時心配していましたから…」 サラリと宗三は御手杵に言うと… 「…私達もやりましょうか?久々に…」 着物に手を掛け、宗三は自分の肌を見せながら御手杵に聞く。 「宜しくお願い致します」 顔を真っ赤にして御手杵は宗三に頼む。 …どっかの野獣と違って素直で礼儀正しいですね…御手杵は… 宗三は溜め息を着くと、着物を脱ぐのだった。 同じ頃… 「あのさ…兼さん…しない?」 「へ?」 堀川に誘われ、兼定は目が真ん丸になる。 「皆居ないしさ…」 上目遣いで堀川は兼定を見詰めた。 「国弘!」 「兼さん…」 兼定の理性は決壊し、堀川は押し倒されるのだった。 同じ頃… 「父さん、妖気を感じます!」 外で遊んでいた愛奈は、ハードボイルドな顔になって言い放つ。 「大将、俺は大将の親父さんになったつもりはねぇよ」 薬研が溜め息を着いて愛奈の隣に座る。 「でも…本当に感じますね。噂の幽霊かな?」 不動は首を傾けた。
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