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「…でね…。」
ローカルアニメ『サガミーンA(エース)』の舞台になったこともある若草色の私鉄に乗って、終点のひとつ手前の駅、通称 ”ルードの森” 。
連日の寝不足で座ったなり眠りこんでしまった千香をしりめに話し続けていたこっちのふたり、千香を蹴り起こしてあやうくホームに降りる。
駅から15分ほど歩く途中の、ひとけのない雑木林の細い道。
そこで…
「 高平千香。だな。一緒に来てもらおう。」
「あに?」
寝ぼけきった千香のこえとともに、事件は起こったのだった。
「いちおう連れのふたりも捕獲しておけ。同類かもしれん。」
「はっ隊長」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
ばらばらと現われたのは数人の男たち。
それも、妙にてらてらした感じの、緑の制服…軍服?…に身をかため、隊長とか呼ばれた男にいたっては頭はみごとに角刈りで、真っ黒グラサンかけて一丁あがりの、はっきりヤーさま風である。
…右翼団体の人かしらん…。
「あたしら連れて行こうってどういう了見よ。何の用だっていうの。」
「うにゃ。」
千香が役に立ちそうにないので、あたしが怒鳴る。
こらこら~~、歩くのやめた途端に眠りに落ちるなって…★
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