action.1 scene.1

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 日曜日。ムービル(映画館)をでたあとで、天気もいいことだし中華街にでも行きましょうよ、と。  水色の根岸線を石川町駅で降りて、ちょっと歩くと大きな朱塗りの門がある。  はいってすぐの屋台から、ふかしたての肉まんをジャンケンで負けたほうが2コ買って、山下公園までのんびり歩くのがいつものコースになっていた。  あたし、当野槇子(とうの・まきこ)という。  ななめわけのストレートの長髪にびんぞこメガネという外見の、ごくふつうの専門学校生だ。  となりにいるのは高平千香(たかひら・ちか)。  だまって立ってりゃ世紀の美少女、くちをひらけば絶世の破壊者(クラッシャー)という、そらおそろしい性格をしている。  どんなふうにこわいのか、って…? 「わーい。温ったかいぞォっ」  そろそろ、秋だ。待ちきれず歩きながら無邪気に喰らいつくあたりまでは、まあ「玲瓏な美少女」→「可愛い♪」くらいの、魅力的といえなくもないイメージの落差なんだ。  だけどねぇ…。 「…あ”~~~~っっ!!」 「ど、どうしたん?」 「あのヤロー、あし踏んだッ!」
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