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…そりゃ、天気のいい日曜の中華街って、とくに催しのない時でも、けっこう混むんだもん。
急いでる人なら少しくらい、誰かにぶち当たったって、あたりまえ…
…は、この娘には通じない…。
「~~~よ~っし。…踏み返してやるッ!」
「げっ!」
止めるまもなくダッシュをかけている。
…お、おちつけ。おちつくんだ槇子。あたしは他人。他人なんだっ!
「…この野郎っよくもひとの足をっ」
むぎゅうっと、ちからいっぱい。
「 痛ェ! な、なんだてめぇはっ?!」
「なんだじゃないっ先に踏んづけたのはそっちだろうがっ」
…これよ。
これが恐ろしいっていうのよ…っ
あいての男、一瞬呆然としている。
それから、やおらがっしりと千香の胸ぐらをつかみあげ、にんまりと歯をむきだして、
「おもしれェ、アヤつけようってのか?」
…あ~~~~んっっ
あたしは他人ですぅ……っっ
…千香も千香よ。ハラが立つなら仕返しするなとは言わない。でも、せめて、敵と手段は選べばいいのに…っ
なにもあんな北京原人にまで、真っ正面から噛みついて行かなくたって…っ
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