五、二日目

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「クレタ・・・本当に道、わかっているんだろうな。」 「う・・・うん。」 「なんか、さっきから景色が変なんだけど。」 「う・・・うん。」 クレタの様子が朝ごはんのときとは明らかに違うことが3人にはよくわかった。 しきりにポケットに手を入れて何かを探している様子だった。 「大丈夫、いつもと変りなし。しっかりついて来い。」 そうは言うが、なんとなく自身なさげで、周りの景色も時折、ぐにゃっとよじれてそれを眺めていると酔いそうだった。 「本当にお前大丈夫か?」 太はクレタの肩に手をかけた。 「お前って言うな。俺は神様なんだぞ。クレタ様って呼べ。 気安く俺に触るな。」 「昨日までクレタって呼んでたじゃないか。」 太は手を払われたことに腹を立ててクレタの胸を掴んだ。 「やめろよ二人とも・・・少し休憩しよう。きっと疲れているんだよ。 ヒロトの手も乾いてきたし、どこか水のあるところに連れて行ってよ。」 クレタは今までなら地図を広げていたが、なぜか下の世界を一生懸命覗いた。 「わかった。ついて来いよ。」 普通ならそういうと何も言わずスタスタと歩き出すのに、下を何度も見下ろしては、見下ろしては歩いて行った。 「大丈夫か・・・なんだかいつもと様子が違うけど。」 「全然。問題ない。」 「ならいいんだけど・・・」 理玖が休ませてくれと頼んでから、まだ相当歩いた。 やっと見つけた池のそばについたときは、ヒロトの手はカッサカサになっていた。 「痛いか・・・」 「ちょっと・・・」 ヒロトの手に巻いたタオルをはがし、池の中にヒロトの手をつけた。 「あんまりキレイじゃないけど、仕方ない。 また水道があったら寄ってもらうから我慢しような。」 「うん。」
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