松田亜矢①

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「じゃあ二つ目の質問です。亜矢ちゃんの趣味はなんですか?」 「なんか合コンみたいな質問ですね。趣味っていうと買い物かなぁ。オシャレとかするのはやっぱり好きだし」 「合コンじゃありませんから! 買い物かぁ。女の子は買い物好きだもんね。買い物で言うと俺も最近欲しいのがあって、少し話題になってたから亜矢ちゃんも知ってるかもしれないけど、〇〇の限定モデルの腕時計が欲しいんだよね。あのデザインと色、本当にかっこいいんだよなぁ!」  俺の発言を聞いて驚いた表情の亜矢が食い気味に口を開く。 「えっ? 嘘!? あたしその時計今してるよ。あたしもすっごく欲しくて並んで買っちゃったの。今1番のお気に入りなんだぁ!」  勢いよく振り向いて、亜矢のオレンジ色の腕時計を見て言った。 「うわぁ! マジかよ! すげぇ偶然! 見せて見せて! やっぱりいいなぁ。生で見たらもっと欲しくなったよぉ。俺はこれの青色が欲しいんだよね! 次の給料日に絶対買おうっと。てか買ったら亜矢ちゃんと色違いのお揃いになっちゃうね」  俺の嬉しそうな表情や、ビックリした表情を見て亜矢も嬉しそうだ。 「いいでしょー! 買っちゃえ買っちゃえ! お揃いだぁー。てかこっち向いたらダメでしょ! まだゲームの続きだよ」  楽しそうに笑う亜矢の姿からは、完全に警戒心や緊張感はなくなっている。 「失礼しました。テンション上がって取り乱しちゃった。では最後の質問です。亜矢ちゃんは目玉焼きには醤油派、ソース派、それとも塩派?」と真面目なトーンで聞いた。 「!?……ぷっ……ぷっ……あはははっ! 急に何それー! もう絶対ゲームに関係ないでしょー」  コインを当てる事とは到底結びつかないような予想外の質問に、亜矢は不意を突かれ、堪えきれず満面の笑みを浮かべた。  凄く楽しそうだ。
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