松田亜矢②

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「よし! じゃあ当てにいきます。亜矢ちゃんがコインを入れたのは赤色と青色ではありません」  声と同時に赤色と青色の紙コップを開けた。  中身は俺の言った通り(から)だった。  ここまでは完全にイージーだ。  亜矢の行動や仕草を見る限り、間違える要素は何もなかったので当然の結果と言える。 「えっ!? いきなり2つも!? てかなんでわかったのー?」  驚いた表情を見せた後、少し悔しそうな顔でこちらを見ている。 「さてなんででしょう! この2つはすぐわかったよ」と笑って答え、続けた。 「さぁ、ここからが本番だね! 亜矢ちゃんがコインを入れたのは……オレンジ色の紙コップではありません」  そう言ってオレンジ色の紙コップを勢いよく開けた。    再び中身は空だった。 「えっ!? 嘘? なんで分かったの? 上手く隠せたと思ったのに」  さっきより驚いた表情をしている亜矢。そして動揺を抑える為、グラスに入っていたお酒を飲み干した。 「確かに隠すのは上手だったけど俺の勝ちだね。貴重な研究データをありがとうございました」と笑顔で答えた。 「なんで分かったか凄く気になります! 教えてください」       
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