彼方の旅路と

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  ―チャリ、 「クク、俺の軍にいる元錦帆の野郎ども、アイツらはそりゃあ落ち着かねーよ。 裏切りもんだの恩知らずだの好きに騒いでよ……しょうがねえよ。どいつもこいつもしょうがねえ」 ―チャリ、チャリッ。 甘寧の口もとがわずかに歪んだように見えた 「……俺らは今、軍人だ。それを、その違いを銀のヤローに教えてやらなきゃなんねえのによ…」 「甘寧殿」 陸遜の、諫めるような諭すような声が響いた。 …そうか。 「………銀と、会いましたね?」 「…………。」 フッと笑みがこぼれる ……ああ、そういうことか。 「なるほど、解りました。あなたが何故こんなに輪をかけてお喋りになってるのか」 「あん?」 「銀に、教えてやりましょう、甘寧殿。我々の戦い方を」 訝しそうにこちらを向いた甘寧に、陸遜が笑顔で拳を突き出した 「今、あなたのおかげで新しい作戦を思いつきました」
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