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「…将のなかで唯一左慈と面識がある貴公には………無論当然何が何でも、協力してもらうぞ、夏侯の?」
「――…」
―惇兄、あれ湖だよ!―
あの日、偶然会った……“奴”。
あれきり一度も見ることなどなかった。
なぜ今になって奴が俺の周りに現れる
なぜ奴は淵を……
もう冷めてしまった粥を脇に寄せて、夏侯惇は席に座り向き直った。
「…無論だ。…協力しよう」
拒否する理由など、最早無かった。
どぉおん。
どぉおん。
どぉおん。
どぉおん。
どぉおん。
どぉおん。
重く鈍い音が一帯に轟く
陣太鼓は激しく揺られ、
合図の旗は大きく振られ、
やがて津波のように地鳴りがやって来る。
「――なんだ!?地震か!?」
「おい、いま太鼓の音が聞こえたぞ!」
「罠か!?」
青い軍団がざわめいた。
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