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名を呼ばれた長髪の男が首を傾げるように応える
「ええ、当然。老人の戯言です」
その隣りから張昭が呆れた声を出した。
「…ってか、『仙人』だの『妖術』だの信じてるの程公くらいスよ」
「―カハハ!そうか、善きことよ!其の調子ならば儂が一番手であろう。左慈とやらの首は儂が貰うとするか」
朱治と張昭のはっきりした提言を程普が豪快に笑い飛ばす
「主らには解らんだろうよ。儂は己の鼻が利くのをよく知っておるからな。
この城に出入りしておいて、この程普が未だに見つけられずにいる男が、ただ者であるはずが無い」
「―…、まあ捕らえるに変わりないならそれで良いですが」
諦めたように朱治がつぶやいた。
「それでは、これからどう動くかですな」
「どうもこうも有りゃあせん、このまま乗り込む」
程普が大股で廊下の角を曲がった
「…げ、そりゃあちょっと……こないだお殿と喧嘩したばっかりなんスけど、俺」
それに対して、張昭が嫌そうに顎髭を掻いた。
朱治が微笑んだままでそちらを見やる
「おやおや、またですか?殿も頑固ですが張昭はまた融通が聞ききませんなぁ、まったく」
「ほんに然りよ」
「―だぁーもうッ、しょうがないっしょーー!?お殿が『死兵が欲しい』なんて言うからー!」
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