彼方の旅路と

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曹操の馬がぶるっと首を振ると、蝗は飛び去っていった。 「…ふむ。しかし、こ奴らは肥沃な地にこそ群れる――…元は豊かなのであろうよ、牧が少しでも熱心であったら今年は蓄えで乗り切れるはずだ」 「こう戦続きでは…」 「ああ…、そうだな。結局、蝗ごときではない、原因は我等にこそある……人災は悪徳だが…しかしこればかりは、終えるにはまだ道が長い」 言い終えると許チョがまた駄々をこね始めた 「曹操さまぁ~~。おらやっぱり疲れただよお~」 曹操が微笑する 「まだ要るのか、虎痴よ。ワシとしてはこれも休息のうちだが」 「だって、おらがこう言わねぇと曹操さまぁ休まねぇだ」 「クク、そうか。ならば向こうの林を抜けたらよく休むとしよう」 再び駆け出した曹操の馬に一行が続いていく サァァア… 「――……、雨か…」 曹操が空を見上げてぽつりと言った。
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