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「―…あ、あまり大きな声では言えないのですが……ぇー…」
困ったようにまん丸い目を瞬き、取り出した竹板に小刀で字を削って走り書きし…
魯粛はすばやくその書き留めを朱治に見せた。
「…こ、これに」
「―ほう、筆談!それほど深刻かね!」
「しーーーっ!!程公、声デカい!」
「応、すまん。今のは地声だ」
程普が張昭に素直に謝罪していると……竹板を眺めていた朱治が「ほう」と意外そうな声をもらした。
「……これは―」
「何とある、朱治よ」
「見してくれやせんか!」
2人がそちらに身体を傾けた時……
「…――『新規軍律、起草の意』…」
2人が読むよりもはやく、周瑜がしぼり出すような声を放った。
「都督…」
魯粛が少し不安げに顔を上げる
腕を組み、目線を廊下の床に向けていた周瑜はさらに声を張った。
「これまでの軍規の一部訂正、及び一部改変!更に新しい軍規の起草!!内容は後日!軍議への提出は未定!」
「しゅ、周都督~っ!」
悲鳴のような魯粛の声と共に聞こえてきたのは信じ難い内容だった。
周瑜の端正なしろい顔が、固くこわばってこちらに向けられる
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