憧れの存在は身近に

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「それでは今日のお悩み一つ目。自分は今ピアノをやっているのですが、やっている理由が分からなくなりました。どうすれば思い出せますか? また、見つけ出せますか?」  やっている理由が分からない……今の私もそうなのかもしれない。 「そうだな……原点に返ってみたらどうかな? 原点には始めた理由が必ずあるはずだよ」  原点? 私が、作詞と作曲を始めた理由。 「それでは、ここで悩めるファンに向けて一曲歌います。聞いてください!」  てぃらんくんがギターを持つ。これは、私が好きな曲。私が作詞と作曲を始めようと思った曲。そうだ私、てぃらんくんに自分が作った曲を歌ってもらうためだ。てぃらんくんの歌声が、パフォーマンスが大好きで、いつか自分がてぃらんくんに何かで関わればいいなって。作詞は自分で考えて、作曲は音楽に詳しいお父さんや、学校の音楽の先生に聞いたりしてた。 「……書こう」  思い出させてくれたてぃらんくんに、私はすぐにコメントを送った。 『てぃらんくん、私は趣味で作詞と作曲をやっていて、最近はなんでやっているのか分からなかったけど、今日のアドバイスを聞いて理由を思い出すことができました! いつかてぃらんくんに自分の書いた曲を歌ってもらえるように頑張ります!』  生放送を見ながら、私は引き出しに閉まっていた楽譜を取り出して、お気に入りのシャープペンで音符を書き出した。 『ホワイトへ返信:ホワイトちゃん、待ってるよ♪』
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