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あれを初めてくぐった日は緊張と喜びに満ち溢れていたっけ。
こんな気持ちになって去ることになるとは、あの時は考えもしなかったな。
結果はともかく今まで世話になった場所だ。
人目も気にせず、ゆっくりと一礼をした。
ふと気がつくと、手にはポイント記録用の筆ペンを握りしめられていた。
このペンのインクが無くなる程にたくさんポイントを貰おう。
そんな事を考えながらコンビニで買ったんだった。
これもまだ良い思い出とは言えないが、いつの日か酒の肴に出来る日がくるだろう。
アーチは今も変わらず、あの日と同じようにただずんでいる。
その象徴とも言えるオブジェを見つめながら、
オレは「今までありがとう」と口にして、
静かに筆を折った。
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