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海斗が袋から出したそれをテーブルに並べて、にっと笑う。
魔法使いのクマ、お姫様と妖精のウサギ。
可愛らしくて如何にも瑠璃が好きそうだ、と思わず頬が緩む。
「おにーさんすごーい」
高く甘ったるい声に振り向いた。
そこには多分そう歳は変わらないだろう、化粧をして派手な服を着た女の子達が居た。
「一発で取っちゃうなんてすごいー。あたしなんて千円入れても一個も取れなかったのにぃ」
海斗がやってたのを見ると簡単そうに見えたけど、そんなに難しいのか。
「ねえねえ、あたしにも取ってくれないかなぁ?」
「悪ぃけど、大切なヤツの為に取ったんだ。自分らでやってくれ」
あ、抑えてるけどこれ、海斗かなり機嫌悪い。
「そんな事云わないで、ねぇお願いー」
甘ったるい喋り方、媚びを売るような上目遣い、そして、海斗の腕に絡みながらさり気なく胸を押し付ける仕草。
───気持ち悪い。
何だこれ。
胃の辺りがムカムカする。
さっきまで気にならなかった香水の匂いまでが鼻に突いて、吐き気がする。
何か知らないけど、苛々する。
「ねぇ、弟クンも一緒に遊ばない?見てるだけじゃ退屈でしょ?」
もう一人の女の子が僕の肩に触れた瞬間。
「触んな!」
海斗がその子を睨み付けて低い声を上げ、纏わり付いていた腕も振り解いた。
「俺らに構うな!男引っ掛けに来たんなら他当たれ!」
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