回顧 高一の夏 初めての友達。そして変わり行く僕らの気持ち

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「な、何よぉ、感じ悪い!」 その迫力に、その子達は文句を云いながら離れて行った。 大きく溜息を吐いて、海斗が僕の隣りに座る。 「ごめん、南。大丈夫か?」 気遣うような声。 だけど僕は、さっきの子が絡み付いてた腕から視線が離せずにいた。 眉間を指の腹でぐりぐりと押されて、はっとする。 「南、怒ってる?」 云われて、自然と眉間が寄ってた事に気付いた。 「や、別に怒ってなんか…。それより海斗、役得じゃん。今の子胸大きかったし」 わざと冗談ぽく云えば、むっとした顔の後に何か思い付いたようにはっとして、にやにやと見つめてきた。 「もしかしてさ、妬いてくれた、とか?」 「ぇ……はあ?!」 慌てて手元のオレンジジュースをごくごくと飲んで。 「ばっ、僕の事弟なんて云うから怒ってんの!!誰が妬くか馬鹿!」 否定する僕にははっと何故か嬉しそうに笑って、大きな手が頭を撫でる。 僕は朱くなった顔を隠すようにオレンジジュースを飲み干した。 妬くなんて。 けどさっきのムカつきもイライラも、どうしてなのか理由が全く分からない。 海斗と一緒に居るようになってから僕は、初めての感情に振り回されっ放しだった。
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