回顧 高ニ高三 幸せ過ぎて

7/12

1164人が本棚に入れています
本棚に追加
/319ページ
仕事が忙しくなっても成績を落とす訳にはいかず、テスト前には面倒臭がる海斗を道連れに勉強もした。 一年の時は自分の順位しか興味なかったから、掲示板に貼られた順位表なんて見なかったけれど、二年に上がって最初のテストの順位表を何気無く見て驚いた。 模試でも上位をキープしてる亮平が二位に居るのは納得だったけど、五位に海斗の名前があったのだ。 亮平が云うには海斗はずっと成績だけは上位を維持してるとの事で。 授業中はいつも寝てて家でも勉強なんてしてる気配の無い海斗が、何故上位に居るのか混乱した。 本人は何時もの調子で「俺様天才だから」なんてお道化て笑ってたけれど。 そして季節がまた巡り、二学期の終わり、進路調査の紙が配られた。 進路に合わせて、三年はクラス分けをするらしい。 漫画を描いている事は、学校には云ってはいなかった。 別にバイト禁止って訳ではないけれど、特待生としてかなりの高待遇を受けている身としては、何となく後ろめたい気持ちがあった。 それは進学に関しても同じで、高校を出たら本格的に仕事に取り組むつもりだった僕は大学に進む気なんてなかった。 けれどそれを告げる事はせず、自分の成績に見合った大学を適当に書いて提出した。
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1164人が本棚に入れています
本棚に追加