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「いいよ、大丈夫?横になってな?」
…………あ、優しいかも?安心して平気かな。
「ちょっとだけ窓開けてもいい?高速なのにごめん~。」
「全然いいって。」
彼は優しい声で言うと、少し窓を開けてくれた。
少しひんやりした秋の風が車内に入ってきて、気持ちいい。
深く息を吸い込んで、気持ち悪さを沈めながら、ふと彼の方を見た。
………………横顔、きれい。
夜の暗い車内で、対向車のヘッドライトに照らされて見える、運転中の彼の横顔が、きれいで。
最初に、送られてきた画像を見た時にも思ったこと、だけど。
…………………………………………かっこいい。
え、待って。いや、いやいや。
フッと心に降ってきた自分の言葉に、自分でビックリして、急いで茶化すように掻き消した。
…危ないあぶない。
窓の方へと顔を戻して、もう一度ゆっくり深く、息を吸い込む。
そう、だってこれは、たっくんのいない夜の、想定外のちょっとした暇潰し、なんだから。
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