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長い長い何かの始まりかそれとも
カタカタカタ…ピーッ…
パソコンを打つ指先と視界が、お昼休み後の血液の下降、、つまり早い話が眠気に負けないよう、あたしはカルテに患者情報をひたすら入力していた。
この仕事を始めて気付いたこと、それは意外にも黙々とする作業が多いということ。
ミスの無いよう黙々と、こなしていく。
ふと、肌寒さを感じて窓に目をやると、少しだけ強い風が、外のキンモクセイの香りをより強く、運んできた。
窓を閉め、ブラインドを降ろしに行く。
………と、そこから見える、大きな建物…。いつもここから見える、こんな近くに、彼がいるなんて、ちょっと前までは知るはずもなかった。
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