長い長い何かの始まりかそれとも

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あの夜、展望台に登れなかったあたしたちは、彼の運転で無事に帰って来て、バイバイした。 すぐに゛今日は楽しかったよぉ♪ありがと゛メールが届いて。 夜遅く帰ってきたから、なかなかに眠かった翌朝の出勤中にも、゛おはよぉー♪゛メールが来て。 知らない相手といきなり会ったことの警戒心も、何だか現実味の無いようなあの日のことも、すんなりあたしの日常の中に入ってきて。 あれから数日のこととは思えないくらい、そう。すんなりと。 ゛おはよぉー♪゛゛仕事行ってくるー゛゛今休憩中゛゛何してるー?゛ ちょこちょこメールをくれるから、たった数日で彼の仕事の休憩時間まで覚えてしまった。 ギャップがね、ズルいの。 会ってた時は飄々としてるように見えたけど、メールがなんか、かわいくて。 クールに見えるけど、ちょっと抜けてるとことか。 そして、まさかの、あたしの職場のこの窓から見える、すぐ目と鼻の先で彼が働いてたってこととか。
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