1人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
同棲、なんだと思う。
たっくんはとにかく優しくて、何でもしてくれる。
いくつか年上だったのもあってか、家事も、あんまりしなくていいよと言う。料理も作ってくれる。
それじゃ悪いから、なにかしようと立ち上がると「いいよいいよ、けぇは座ってて!」と言われるから、いつしかすっかり甘えるようになっていた。
恋人だけど妹みたいにかわいがってくれる。
もともと家庭が複雑だったから、いちおう実家でもこんな風にされたことなかった。
21歳。
「あたしこのままじゃもう、ひとりで生きてけなくなるかも。」
なんとなくそんなことをぼやいて、入浴剤のいい香りのお湯に顔を沈めた。
最初のコメントを投稿しよう!