缶コーヒーの男

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「きみたちだけではない、わたしもだ。だから忠告に来た。やつの口車にのってはいけない」  男はスーツの内ポケットから缶コーヒーを取り出すと、差し出す。飲め、ということらしい。夜中の2時だろうが、お構いなしのブレないマイペースぶりであった。  男も缶コーヒーのプルトップをあけ、2人して玄関先で並んでグビグビ。 「この惑星の熱帯夜は寝苦しい」  ガニガニ・9・ボーテが自分でもなぜかわからずそうつぶやくと、男は、では失礼、と言って去っていった。 「どなたでしたぁ?」  玄関ドアを閉じると、部屋の奥からルケルケ・7・トーが聞く声。 「顔見知りの宇宙人だったよ」  他人が聞いたら驚いてしまうような答えを、なんでもないようなことのように言って部屋に戻ると、リビングに何者かがルケルケ・7・トーと向かい合って座っており、ガニガニ・9・ボーテはその場でずっこけた。
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