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マウ(青):
「何だよ、さっきは地球の平和が大事って説教したくせに。人間不信なの? 女に振られた?」
キハチ(黄):
「さっきのはちょっと、ゆとりっぽい発言ですね」
ヒカレ(緑):
「ゆとりじゃねぇし、むしろ悟ってんだよ。雇い主にいい顔して何が悪い? 一生懸命になることの虚しさとか、結局、俺らが人知れず体張って、地球の平和守っても、誰も称賛してくれねぇじゃん。対戦の度に、どっかの採砂場に飛ばされて、ここで対戦しろよみたいになるし。対戦の後は恒例の反省会になるし、ヒーローって面倒くせぇって、つくづく思うわ」
マウ(青):
「それ、子供が聞いたら悲しむよ。グリーンはヒーローのバイト、辞めたい訳?」
ヒカレ(緑):
「解んねぇよ。でも、俺がいなくてもなんとかなる気はするよな。一回バックレてみようかな。コマンダーに好き放題言われて、やる気なくしたし」
キハチ(黄):
「そんな、グリーン君がこの戦隊のリーダーみたいなものだろ? いつも採砂場に一番乗りで来てるし」
ヒカレ(緑):
「リーダーはレッドだろ? 俺たちの戦隊、赤いねえし」
ヒカレ、立ち上がり、マウとキハチに背を向ける。
マウ(青):
「(呟く)……誰でもいい訳じゃない。俺たちは選ばれたんだ。正義のヒーローに」
ヒカレ、一旦立ち止まる。マウを振り返らずに、歩き出す。
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